みなさんは、鹿児島県奄美群島などで飲まれている発酵飲料の「ミキ」をご存じですか? わたしは「ミキ」を口にしたことがなかったので、アルコールのない甘酒や甘いおかゆをイメージしていましたが、実際の「ミキ」はとても爽やかでクセのない飲料でした。 そして作り方も簡単なうえに、健康長寿の源ともいわれているほど栄養が豊富なんです。 今回は、そんな奄美のライスミルク「ミキ」を実際に作ってみました!作り方をレポートします。 奄美のライスミルク「ミキ」ってなに? 「ミキ」は、鹿児島県奄美群島や沖縄県などの温かい地方で伝統的に作られてきた発酵飲料です。おかゆにしたうるち米にサツマイモを加え、自然発酵させています。 「ミキ」という名前は、祭事の際に用いられる御神酒(おみき)に由来しています。「ミキ」の原型は「口噛み酒」であると言われています。 口噛み酒(くちかみざけ)は、米などの穀物やイモ類、木の実などを口に入れて噛み、それを吐き出して溜めたものを放置して造る酒のこと。古代日本、アイヌ、沖縄、奄美諸島で作られていたほか、中南米やアフリカなど世界各地に見られたが、アマゾン低地などに残存する以外ほとんど消滅した。真臘では女性が醸すことから「美人酒」と呼ばれていた。また、人為的に造る酒の発祥は口噛み酒であるという説がある。 参考:ウィキペディア 火を入れて作るもの、火を入れないで作るもの、地域によって作り方は微妙に異なるようですが、発酵させて作る乳酸菌飲料であることは変わらず、奄美沖縄地域の赤ちゃんからお年寄りまで広く親しまれている伝統的な乳酸菌飲料です。 「ミキ」は、豊年祭などの祭りごとではお供え物として欠かせません。100歳以上のご長寿が多い奄美大島の秘密がここにあるかもしれません。 「ミキ」の味 見た目は甘酒に似ている乳白濁ですが、味は乳酸菌発酵特有の爽やかな酸味とサツマイモが持つ優しい甘味があります。 甘さが優しいので、様々な料理や飲料との相性がよいです。 伝統的な「ミキ」には砂糖は入っていなかったようですが、現在は砂糖を加えて一緒に発酵させる作り方が多いようです。 「ミキ」の発酵のメカニズム 「ミキ」は乳酸菌が米などの原料に含まれる成分を発酵させることでできる乳酸菌飲料ですが、この発酵に関与している乳酸菌は、1種類だけではありません。 乳酸菌にはさまざまな種類がいて、「ミキ」からは、ラクトコッカスラクチスなどをはじめとする約30種類の菌が見つかっています。乳酸菌は「ミキ」が作られる場所に由来しているため、地域や環境によってさまざまな乳酸菌が関わっているのです。 「ミキ」の作り方を説明する上で特徴的なのが、生のサツマイモを使う点です。生のサツマイモに含まれる消化酵素βアミラーゼの働きによって、デンプンが麦芽糖に変化し、自然で優しい甘味を作り出します。 この麦芽糖をエサにして、乳酸菌が発酵を促進させて乳酸を作り出し、ほんのりと酸っぱい味になります。 ▼発酵のメカニズム 消化酵素βアミラーゼが、デンプンから麦芽糖を作る ↓ 乳酸菌が、麦芽糖から乳酸を作る ↓ 自然の酸味と甘味ができる 自家製「ミキ」の作り方 「ミキ」は誰でも簡単に作れます!誰でも簡単に作れる挑戦しやすい発酵食品の一つということで、実際に作ってみました。 材料(作りやすい分量) 米・・・250g (白米・玄米・雑穀米・7分づき・5分づきなどお好きな米をお使いください) 水・・・1ℓ サツマイモ・・・50g(サツマイモは皮を向いて水に浸しておきます) 作り方 ①お米を手のひらを合わせるようにしながら、優しく研ぐ。 ②研いだお米に水を加えて、固めのおかゆを炊く。 ③固めのおかゆができたら50℃位まで冷ます。(サツマイモの酵素が活動しやすい温度) ④ ③のおかゆにサツマイモをすりおろして入れ、右回りにぐるぐると良く混ぜる。 ⑤重かったおかゆが混ぜているうちにスーッと軽く混ざるようになったらOKです。 ⑥蓋をしてそのままおくか、口の広い入れ物に移し替えて1日から3日程常温で自然発酵させます。(暑いところでは発酵が早く、寒いところでは発酵が遅くなりますので様子をみます。) ⑦1日1回は蓋を開けて発酵中のミキをかき混ぜます。酸っぱい香りがしてきたり、食べて見てほんのり酸っぱくなっていたら出来上がりです。 ⑧出来上がったミキをミキサーにかけて滑らかにしたら、冷蔵庫で保存します。 ※食べ頃:冷蔵保存で2〜3週間後 ※保存方法:密閉容器に入れ冷蔵保存 / 冷凍保存も可能 自家製「ミキ」の使い方 自家製「ミキ」の使い方はとにかく自由です。クセがないのでどんなものにもよく合います。アイデア次第でなんにでも使えるので、毎日使うことをおすすめします。 飲料として そのまま飲んでも美味しいですが、甘さが欲しい時ははちみつやメープルシロップなどを加えても美味しくいただけます。 いつも飲んでいるジュースやスムージーなどに加えれば、さらに栄養価アップになります。 お酒に入れて 焼酎などのお酒に入れてお飲みいただいても美味しく召し上がっていただけます。特に黒糖焼酎がおすすめです。 料理に入れて カレーやシチュー、味噌汁などの汁物や炒め物など調味料感覚でご使用ください。また、卵料理に加えるとふんわりした口当たりの良い卵料理に仕上がります。 調理の下準備に 肉や魚料理の下準備としてミキに漬け込むと肉が柔らかくなります。硬い肉が驚くくらい柔らかくなります。ミキの酵素が動物性たんぱく質を分解し、柔らかくしてくれます。 自家製ヨーグルトづくりに 無調整豆乳にミキをひとさじ加えると豆乳ヨーグルトを作ることができます。分量などは各自でお試しください。 まとめ 腸内環境を整えることは誰にでもできる健康管理・維持の方法です。発酵食品の持つ乳酸菌の力を毎日の食生活に取り入れて、賢く生活することはとても良いことです。 日本人が昔から食べていた食材を使って作る「ミキ」は、穀物の栄養をそのまま摂ることができる日本人の体に優しい発酵飲料です。 滋養食としても昔から飲まれていた「ミキ」をご家庭で簡単に作ってみてはいかがでしょう。
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私たち日本人が古くからお世話になってきた発酵食品には、麹からできているものがたくさんあります。 味噌、醤油、塩麹、そして甘酒…全部、麹に含まれる麹菌の酵素が分解してくれることで生成されるものです。 麹菌は、数ある菌の中でも酵素の種類が多いことで有名な菌!酵素は専用バサミみたいなものですから、種類が多ければ多いほど、たくさんのものを分解できることになります。 今回は麹菌の酵素やそのはたらきについてまとめました! 麹菌とは? 麹菌の酵素の話をする前に、麹菌とはなんなのか、少しおさらいしてみましょう。 日本の国菌 日本醸造学会は、「日本人が古来から大切に育み、使用してきた貴重な財産」であるとして、2006年に麹を国菌に認定しました。 高温多湿な島国である日本では、食料の保存がとても難しく、今では当たり前の冷蔵庫などが発明される前までは、保存可能期間をどれだけ伸ばすかが死活問題だったのです。 そこで私たちを助けてくれた仲間が、発酵を生命活動にしている菌たちです。中でも、私たち日本人は、麹菌にかなりお世話になってきました。 麹菌はカビの一種ですが、日本では基本となる味噌、醤油、酒などの調味料の原料として重宝されてきました。 日本の古い正史「日本書紀」(720年)、奈良朝時代(8世紀前期)に編纂された「播磨国風土記」には、カビによる酒の記載がすでにあるそうで、この時代から私たちの先祖は麹菌と一緒にいたことがわかっています。 米飯に「カビ」が生えたものは、「加無太知(かむたち)」または「加牟多知(かむたち)」と呼ばれていて、今の「麹(こうじ)」だとされています。かむたち→、こむたち→こむち→こうじと変化したとも考えられています。 株式会社源麹研究所のホームページには、麹菌をこのように紹介しています。 麹菌は東洋にのみ存在する有用微生物です。 日本独特の気候風土により自然発生した世界でも類を見ないこの微生物は、デンプンをブドウ糖に、タンパク質をアミノ酸に分解する性質が強く、しかも効果的に脂肪を分解吸収するので、東洋微生物の王様とも呼ばれてきました。 参考: 東洋の王様!!笑 たしかに、私たちの食糧事情を懸念した麹菌が、私たちを助けてくれたような気さえしてきますよね。 麹菌の種類 麹菌にはいくつか種類があり、それぞれ用途が異なっています。 黄麹菌は黄色や黄緑、黄褐色をしていて、日本では一番多く使われる種類の麹菌です。ニホンコウジカビ、ショウユコウジカビ、タマリコウジカビが該当し、味噌やしょうゆ、清酒の製造に使われています。 白麹菌と呼ばれる胞子着生が進むと茶褐色になる麹菌は、カワチコウジカビなどが該当し、焼酎の製造に使われています。 そして、沖縄で泡盛の製造に使われてきたのが黒麹菌です。クエン酸を生成してくれるので、温かいところでも雑菌を寄せ付けず、使いやすいという特徴があります。 麹に含まれる酵素のはたらき 麹菌は、たくさんの酵素を持っている菌であることが特徴です。 その菌の種類は100種類以上とも言われています。 麹に含まれる酵素の種類 酵素は、専用バサミのようなものですから、たくさんの種類を持っていれば持っているほど、分解できるものが増え、分解できるものが増えれば、分解によって生成されるものが増えます。 生成されるのは、ビタミンやミネラル、酸などの、私たちの健康や美容にとってうれしい成分が多く、そのため麹を使った発酵食品は「健康や美容によい」といわれることが多くなります。 ざっくりと麹に含まれる酵素を分類すると、以下の5種類です。 アミラーゼ類 =炭水化物を分解する セルラーゼ類 =食物繊維の一種「セルロース」を分解する プロテアーゼ類 =タンパク質を分解する リパーゼ類 =脂肪を分解する ペクチナーゼ類 =多糖類「ペクチン」を分解する これだけ多くの種類の酵素をもって、様々なものを分解してくれる菌はなかなかいないため、日本では日本の発酵食品の源であるといわれています。 酵素はもともとは体内でつくられるタンパク質の一種ですが、年齢とともに酵素が減っていったり、食生活が偏っているとできにくかったりします。 そのため、もともと消化しやすい形に栄養素が分解されている発酵食品は、私たちの身体に負担をかけずに消化吸収されるため、身体に優しい食べ物だといえます。 麹に含まれる酵素の役割 麹に含まれる酵素の役割として注目したいのが以下の2点です。 ▼消化のサポート 栄養素を消化・吸収しやすく分解した発酵食品に変化させてくれるため、私たち人間の身体の中に入った時にはすでにある程度分解された状態で摂取できます。 ▼新しいビタミンの生成 麹菌は発酵の過程で、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、イノシトールなど、様々なビタミン類や酸を作ってくれます。 麹菌の酵素とはたらきまとめ 麹菌は、たくさんの酵素を持っている菌であることが特徴です。 その菌の種類は100種類以上とも言われています。 アミラーゼ類 =炭水化物を分解する セルラーゼ類 =食物繊維の一種「セルロース」を分解する プロテアーゼ類 =タンパク質を分解する リパーゼ類 =脂肪を分解する ペクチナーゼ類 =多糖類「ペクチン」を分解する これらの酵素をもつ麹菌は私たちの身体に負担をかけないように消化しやすい形に食べ物を変えてくれたり、新しいビタミンや酸を作ってくれます。 発酵食品を取り入れて、身体にやさしい食生活を目指したいものですね♪
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